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| 惑乱の公子(タニス・リー著・早川文庫) |
シリーズの中でも、不人気?と思われてしまいがちの作品で、私もうっかりすると忘れます。
ただし、妖魔の王アジュラーンとこの話で登場する箒星の娘ドゥニゼルとの間に生まれた娘、アジュリアズのキャラクターが大変に魅惑的。 |
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そして彼女については「熱夢の女王」の上下巻、そして「妖魔の戯れ」でアジュリアズ、妖魔、人間たち、アジュラーンと色々な角度からこれでもかと語られています。不利な作品といえば、そうかも知れません。しかし、この物語が無ければ、リーファン一番人気(と決め付けていいのでしょうか?)のアジュリアズの登場は無かったのです。失念をしてはいけませんでした。
この作品は、「リーの豪華絢爛!な華やかさをもつ舞台設定が是非とも!」と言う方には少し不満かも知れません。しかし、リーの持つ世界の中の「清浄さ」の部分について垣間見る、数少ないものかもしれません。「神聖さ」「清浄さ」これに関しては、どうしても魔性のゆえでしょうか、リーは少し…意地悪く書くところがあると思います。この作品も然りなのですが、本物の巫女であるところが何なのかをイメージしてみるとその意地悪ぶりも納得できなくもない。
「汚れのない人間など、まずいません。居たら、連れてきてください」これはもう、開き直りで誰にでも言えてしまう台詞です。
ネタバレ過ぎないようにと思うのですが、それが存在した理由。
知的障害者である二人の男女の間に、そして超自然の摂理で誕生をした子供ゆえ。
私はこの二人の男女が箒星の力により知能を得て、そしてひとらしく、親らしく、夫婦らしく、生きて別れるくだりに非常に惹かれます。どうしても女性は、男性と別れ、行くべきところへ行かねばならない。それを受け入れつつ嘆く男性に、「生きて、学んでください」と言い残してゆく…。説教らしいことを一言も書かないリーですが、私はこの台詞が大好きです。男性も、娘である赤ん坊に別れを告げなくてはならなくなりますが、、、生きて何を学んだのでしょう?
巫女となった娘とアジュラーンの恋路に現れた新たな闇の公子。狂気の王・チャズ、宿命の王・ケシュメト。悪という概念より先に存在した、妖魔の王が恋に落ちることそのものが狂気、そして伴侶すらも。そしてそれを操ると見えるチャズすら逃れられぬ、宿命が待っています。
この作品だけでも、かなり大仕掛けの伝説なのですが…物語の最後に生まれ出た娘の存在がすでに続いて次々とたたみかけてくる新たな世界を予感させてしまいます。
そのたたみかけが、壮大にも程があり過ぎというものですが・・・。
やはり、ドゥニゼルの存在は、吹っ飛んで、、、しまっていますね。
この一話きり、のキャラクターでしょうか?
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